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「fibona Pitch Stage」が開催

2019.08.29

fibonaの活動プランのひとつである「スタートアップ企業とのコラボレーション」。そのなかで目指すのは、ビューティーテック業界を中心とするスタートアップ企業との共創だ。「Beauty Wellness」をテーマとした共同研究やアイデアのビジネス化に取り組む。そして化粧品の強化とともに、その 枠にとらわれない新たなビューティソリューションの提供に向けて、社外のリソースを取り込み、コーポレートミッションとして掲げる 「BEAUTY INNOVATION FOR A BETTER WORLD」の実現を目指す。このたび、共創検討をする企業を決定するためのピッチイベント「fibona Pitch Stage」が、8月29日にS/PARKにて開催された。

今回プレゼンテーションを行ったのは、5社のスタートアップ企業。7月1日に行われたfibonaキックオフイベントを皮切りに開始したBeauty Wellness分野での研究や事業の企画募集に約50社からの応募があり、そのなかからさまざまな資生堂メンバーの議論を通してプレゼンテーションを行う5社が選抜された。

まずは、今回審査員も務める資生堂R&D戦略部長 荒木秀文 が登壇。「私たちとご一緒させていただけたら、きっと新しい価値を創出できるのではないかと思う、非常に高いポテンシャルを持っていらっしゃる5社を私共で選ばせていただき、今日ピッチをしていただく運びとなりました。ということで、今日は大変期待しているのです。是非、情熱あふれるピッチをお願いしたいと思います」と語った。

それぞれの企業につき与えられたプレゼンテーション時間は5分。そのあとに5分の質疑応答の時間が設けられた。審査を担当するのは、前述の荒木、チーフプロダクトデベロップメントオフィサーの吉田克典、アドバンストリサーチセンター長の佐藤潔、そしてインキュベーションセンター長の尾郷正志。審査中には各社のプロトタイプの展示もあり、資生堂の研究員が興味深そうに試したり、質問したりしている姿が見られた。

全5社のプレゼンテーションを終え、審査結果が発表された。今回採択されたのは、株式会社ユカシカド、株式会社ノーニューフォークスタジオ、そして株式会社デジタルアルティザンの3社。それぞれの企業について紹介していく。

採取した尿を検査し、最適な食事やサプリメントを提案してくれる「Vita Note」などのサービスを運営しているのが株式会社ユカシカド。代表取締役兼CEO 美濃部慎也さんは「朝一番の尿を取って郵送すると、体内の栄養バランス・吸収量がスマホやパソコンで閲覧でき、その結果に基づいて、食事やサプリメントを提供するサービスを行なっています」と、一人ひとりの体質や栄養バランスに合わせた栄養改善サービスについて説明した。今後は、同社の保有する尿の分析データと資生堂が持つ肌や健康などのデータを掛け合わせたサービスを開発していく予定だ。栄養摂取をパーソナライズする解析技術やアルゴリズム と、資生堂の持つ美に関するサイエンスの知見との融合に期待が高まる。

スマートフットウェア「ORPHE TRACK」を開発している株式会社ノーニューフォークスタジオ。足元の動きを精緻に計測・解析する独自のセンシング技術と靴を組み合わせたスマートフットウェアを展開し、それによって取得した走行・歩行データなどから歩き方をスコアリング。美容に最適な走り方や歩き方を解析することが可能とのこと。

代表取締役 菊川裕也氏は、「歩容(歩き方) と美容の相関を解明していくというテーマでコラボしていきたいと思います。例えば、あなたの 歩き方が どれだけ美しいかをスコアリングしたり、美容のために最適な走り方を解明したり。資生堂とのコラボで、今までにないサービスを提供できればと思います」と意気込んだ。資生堂のビューティー領域における知見と「ORPHE TRACK」の行動把握・歩容解析能力を組み合わせた新たな価値創造を目指す。

研究者・技術者・アーティストが持つ知見からビジネスのプロトタイプを生み出すラボドリブンビジネスを実践し、3Dスキャニングから3Dプリントまでの3Dデジタル技術を活用したプロセス開発をしているのが株式会社デジタルアルティザン。同社が持つ人体の3Dスキャニング技術と、資生堂が持つ肌や健康に関するデータとを掛け合わせた新たなサービスを提供することを目指す。

代表取締役の原雄司氏は、「我々が開発した人体の3Dスキャニングシステムは、200分の1秒で同期し撮影した120枚の写真から3Dデータを生成します。また、ネイルチップを作るためのスキャニングシステムも開発しました。今後、人体のデータはビューティケア・ヘルスケアのテクノロジーと組み合わせてもっと活用できるのではないでしょうか。さまざまな人たちと協業しながら研究開発していきたいです」と語った。

fibonaプロジェクトリーダーの中西裕子 は、「情熱と夢のあるプレゼンが行なわれて、改めてビューティーの領域は広いなということを実感しました。Beauty Wellnessという募集領域の中にも、それぞれの企業がそれぞれの思いを持って、さまざまなことができるのでは。資生堂のメンバーもインスピレーションを受けました」とコメント。3社とも、今後3カ月をかけてどのようなサービスやデータを資生堂と連携できるかを検討し、サービスを具現化していく予定だ。

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Co-creation with startups

ビューティーテック業界を中心とするスタートアップ企業との共創を目指したアクセラレーションプログラムです。

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