FEATURE: S/PARK Cafe

体にも心にも美味しい、「ベジセントリック」という選択肢

「毎日の気分や体調に合わせて、楽しく、バランスの良い食事をとれるカフェというのがコンセプトです」。そう話すのは「資生堂パーラー」の谷口裕望さん。その言葉通り、ここS/PARK Cafe(エスパーク・カフェ)では、ランチタイムのあいだは常時8種類以上のデリが店中央のキッチンカウンターに並んでおり、そこから好きなものを選んで盛り合わせることが可能となっている。この日用意されていたのは、「シーフードと明太子のクリームペンネ」、「ナスと海老のトマトグラタン」、「ミックスビーンズとナッツのマリネ」など……。どのデリも彩り鮮やかで、見るからに種類豊富な食材が使用されており、味付けもさっぱりとさせたものからガツン、と食欲を満たしてくれそうなものまで、実にバラエティ豊かだ。そのどれもに共通していることが、「野菜を中心に考えた、栄養バランスの良い料理」であること。「野菜が中心ではありますが、ビーガンともベジタリアンとも違って肉も魚も一緒に楽しみます。『美味しくて罪悪感の少ない食事を』というところから、“野菜中心”という意味の造語である“ベジセントリック”というキーワードに辿り着きました」と語るのは、S/PARK Cafeの調理長を務める浅野雄哉さん。

そんな“ベジセントリック”なメニューの開発は、これまで「資生堂パーラー」で長年キャリアを積んできた浅野さんにとって全く新たなチャレンジだったそう。「盛り付け方ひとつにしても、これまで僕がやってきた料理とは勝手がまったく違いました」と話し、「スーパーフードやスパイス、そして食材の栄養素などについては、今回とても勉強することが多かったです」と明かした。

しかし、そんな研究所にあるカフェだからこそのメニュー開発はとても楽しいと笑顔を見せる。「例えば、S/PARK内の研究所で化粧品開発に使われている長命草(ボタンボウフウ)という植物があるんですが、それをペーストにして使ってみたり、サラダに入れてみたりしているんです。美白効果などがあるのでスキンケア商品に使われているのですが、食べても美味しいんですよ。研究所内で栽培しているので、“S/PARK産の野菜”とも言えますね(笑)」今後も、そういった研究所やS/PARK内の他施設とのコラボ性のあるメニュー開発に期待が高まる。

また、S/PARK Cafeの店内にもこだわりがたくさん詰まっており、大きなガラス窓から気持ちの良い陽射しが降り注ぐよう設計された店内はとにかく居心地が良い。開放的なテラス席が設けられ、小さな子ども用椅子の用意もあるなど、その日の気分や目的に合わせて老若男女がゆったりと利用できる。朝の時間であれば、健康的な食材をブレンドした「ターメリックラテ」や搾りたてのスムージー片手に、一人でも気兼ねなく過ごせるカウンター席で朝食を摂る人の姿も想像しやすい。一方、夜になると雰囲気は一変して、ぐっと大人な空間になるので「野菜のハイボール」や種類豊富に揃うワインといったアルコールをたしなむ場所にもぴったりだ。