FEATURE: S/PARK Museum

サイエンステーブル⑥「フェイスウォッシュ」

「Science × Art」、「Life of Beauty」、「Innovations in Beauty」、そして「Future」の4つのゾーンで構成されるS/PARK Museum。ただ見て回るだけでなく、各ゾーンではミュージアム全体のテーマである「美」にまつわるさまざまな問いを投げかけられ、理科の実験のようなインタラクティブな体験ができる場所となっている。今回はなかでも一番の見所である「Science × Art」ゾーンに設置された、6つのサイエンステーブルから「フェイスウォッシュ」のテーブルについてご紹介。

スキンケアの土台を作るうえで欠かすことができない洗顔。肌を清潔に保つために欠かせないステップかつ、老若男女問わず必ず行うスキンケアだからこそ、その重要性や正しいやり方を知ることができるのが、この「フェイスウォッシュ」のサイエンステーブルだ。今回は資生堂グローバルイノベーションセンターに在籍する松尾玲が解説する。

まずは、資生堂から発売されている歴代の洗顔料を知ることができる展示からスタート。
「一番古くは『資生堂 花椿石鹸』という固形石鹸から始まりました。続いて粉タイプのパウダー石鹸が出て、そのあと現在市場で主流になっているペースト状のタイプが出てきます。上段は現在発売されているもので、ペーストタイプや液状のミルクタイプ、あとはドラッグストアなどでもよく見かけるポンプを押すと泡で出てくるタイプなど豊富にあります」と、説明する松尾。

今メジャーとなっているペーストタイプの洗顔料も、歴史を経て誕生したものだということがわかる展示に。近年支持されているのは泡タイプとのことだが、泡タイプが人気なのには理由があるそう。
「自分で泡立てることなくポンプを押すと出てくる泡タイプは、泡立てが苦手な人や面倒だと感じる人からも支持を得ているアイテムです。次のコーナーで泡立てについてはお伝えしていきますね」

続いてのコーナーは、バーチャル映像で泡立てについてのコツを紹介。
「なぜ泡立てが重要なのかというと、泡を立てることによって汚れを落とす成分が表面に出てくるため。泡立てが苦手な人も多いと思いますが、ペースト状の洗顔料の場合、まずはよく溶かすこと。それが効率よく泡立てせるためのポイントです」
上手に泡立たせることができれば、洗顔自体のクオリティもぐっと上がるそう。

次に紹介されているのは、泡質について。異なる二つの洗顔料を泡立てることができる装置を動かしながら、「左右同じように動かしたとしても、中に入っている洗浄成分や泡立ち成分の違いによってできる泡というのが異なってきます。右のほうが細かく真っ白な感じ。左のほうが密度が低くざっくりとした泡ですが、ボリュームは出るタイプです」と、松尾。装置のライトを照らしてみると、泡質の違いがさらによくわかる。

「この模型は泡質をわかりやすくしたものです。丸とトゲのような棒がくっついているのが洗浄成分で、模型では棒の長さは同じですが、実際はトゲの長さは成分によって異なります。トゲが長い成分は泡質はクリーミーになりますが、ボリュームがでません。だから泡質を調整するために、長いものと短いものを組み合わせるんです。その絶妙なバランスによって、洗顔料は成立をしています。この成分の配合によりできた泡で包み込むことによって、本来は水に溶けない油を泡と一緒に洗い流すことができるんです」

最後に、松尾に今後の課題について尋ねると、「僕らは毎日洗顔料の研究をしながら泡立てをしているので、一般の人たちよりも泡立てが上手なんです。だから、実際に使ってくださっている人たちに伝わるレベルがどこなのか、ということはいつも課題に感じていること。自分たちの中で“よく泡立つ”と思っていても、手にとってくださるお客様はそう感じないかもしれない。そのため、いつもお客様の泡立て方を想像しながら、良いものを作れるように研究を重ねています」とのこと。

また、「これから作ってみたい製品は?」という質問には、「簡単に持ち運べてスッと使うことのできる洗浄アイテムを探っているところです。除菌アルコールなどもたくさんありますが、外出先で“石鹸で清潔に”を実現したいと思っています」と展望を語った。

この他にも、きちんと泡を作ることによりいかに肌を傷つけることなく洗顔を行えるか、なども丁寧に解説されている。毎日使うアイテムだからこそ、このサイエンステーブルを体感するだけで、無意識で行っていたルーティンに新たな活路が生まれるかもしれない。

S/PARK Museum
  • 電話番号:045-222-1604
  • 営業時間:11:00〜18:00
  • 定休日:日曜