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漢方を通して自分を知る「Around Beauty Meetup #2」開催

2019.10.25

美にまつわる社内外の様々なイノベーターが資生堂グローバルイノベーションセンターに集まって交流するfobona ~Around Beauty Meetup。第2回目となる今回は「カラダの内側からBeautyへアプローチする ~漢方のチカラ~」をテーマとし、中医学や漢方について知り、美容への取り入れ方について考える会が開催された。

資生堂グローバルイノベーションセンターの研究員はもちろん、さまざまな企業やフリーランサーなど合計35名ほどの参加者が集ったこの日。まずは数人ずつに分かれて、自分を野菜に例えてプレゼンする「野菜で自己紹介」からスタート。あちこちで笑い声が上がり、会場は一気に打ち解けた雰囲気に。

今回のゲストスピーカーは、薬剤師免許、国際中医師・国際薬膳師の資格を持つ山口りりこさん。以前は漢方相談薬局に勤務しカウンセリングを行っていたが、薬局への足の踏み入れにくさや、漢方に対する「難しそう」、「味が苦そう」などのネガティブなイメージを払拭したいと考え、2015年にレストラン「薬膳鍋kampo’s」のプロデュースを開始した。現在でも料理のメニュー監修のほか、併設する漢方薬店で相談にいらっしゃる方のカウンセリングや漢方薬の処方を行っている。

「漢方でアプローチするときには『弁証論治』といい、その方の状態を詳しくお聞きしてカウンセリングすることをとても大事にします。」と話す山口さん。漢方では、体内の構成成分を気血水で考える。生命活動のエネルギー源である「気」、全身に栄養を与える「血」、血液以外の体液である「水(津液)」という3つの観点からそれぞれが虚する(足りていない)か、あるいは流れが滞っているのか考えるのが『気血津液弁証』だ。このように、カウンセリングを通じて、自分の身体のタイプを知り、アプローチしていく。

「中医学は主観の医学かもしれません。」と、山口さん。西洋医学では体温が37℃以上であれば熱があると診断し「冷やす」対処をとる一方で、漢方のベースとなる中医学では熱があっても患者本人が「寒い」と感じている場合には、患者の主観を聞き身体を温める対処をする。そういった面においても、漢方の診断では問診が重要で、通常は1時間ほどかけてカウンセリングを行うそう。

実際のカウンセリング風景を見てみたいということで、山口さんがデモンストレーションを行うことに。カウンセリングをしてもらうのは、資生堂グローバルイノベーションセンターの三宅明子と秦英夫。山口さんは二人それぞれの悩みに対し、不調の詳しい状況、考えられる原因、ストレスなどの自覚症状を細かく聞いていく。

悩みや症状に対する改善方法を一方的に伝えるのではなく、患者と一緒に考える姿勢が印象的で、資生堂の二人もていねいなカウンセリングに感心した様子。

漢方の基本、そして診断の仕方や中医学としての考え方について知れたところで、次は美容と漢方の関わりについてのパネルセッションへ。

まず秦から「乾燥の季節の肌悩みや加齢による肌の変化など、漢方で美容に対応できることはあるか」という問いが投げられると、山口さんは「目に見える肌や髪の変化って、体の内側の状態や乱れが外側に出ているので、体内に働きかける漢方は美容にもすごく応用がきくのではないかなと思います」と回答。体の表面にあるものから栄養が不足していくため、肌や髪の乾燥や荒れは不調のセンサーとも考えることができ、例えば肌が乾燥している人は気血水における「水」が不足しており、ニキビができる人はそれが滞っているということがある、と説明した。 また、三宅からは「カウンセリングでは言葉として語られる症状や状態以外に、どんなところを観察しているのか」という話題が挙がった。山口さんからは、「中医学では、『四診』と言い、問診(質問)以外に、目で相手の全身や局部や舌などを観察する望診、耳や鼻を使って声や臭いを診断する聞診、あとは実際にお腹などを触れてみる切診が行われます。こういう診断が今後、中医学の医師だけでなく何かしらのツールでできるようになると皆が漢方や薬膳を取り入れやすくなるかもしれませんね。」と、未来的な話も盛り上がった。

日常生活にも取り入れることができ、また、未来に繋がる学びたっぷりの話で盛り上がるパネルセッションに、参加者も興味津々。質疑応答の時間が設けられた後は、参加者全員が3人1組になってグループディスカッションへ。

ディスカッションの際には、配布されたセルフチェックシートを用いて自分や相手の症状をチェック。悩みや希望などをピックアップしながら、どのようなかたちで美容に漢方を活用することができるかなどについて話し合った。

その後は、よりカジュアルに参加者同士の会話やネットワークが紡がれるよう、飲み物や軽食が用意されて懇親会の時間に。

この日用意されたのは、S/PARK Cafeの彩り鮮やかなケータリングと山口さんセレクトによる菊花&ミント、紅参&ローズヒップ、なつめ&ルイボスの3種類の漢方茶。

参加者はパネルディスカッションやグループディスカッションで話し足りなかったことについて語ったり、気になっていた質問をしに行ったりなど、和やかな雰囲気でそこかしこで新たな出会いが起こっていた。 主観と自分への気づきを大事にする「漢方」をテーマとする会ゆえに、参加者の皆さんも今回のAround Beauty Meetupでゲストや様々な参加者と対話することで新たな自分への気づきを持ち帰ったのではないだろうか。

Project

Cultivation

ビューティー分野に関連する異業種の方々と資生堂研究員とのミートアップを開催し、美に関する多様な知と人を融合し、イノベーションを生み出す研究員の熱意やアイディアを 刺激する風土を作ります。

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