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Co-creation With Consumers サンケア×ランナープロジェクト #1

2020.01.17

fibonaの活動のひとつとして、S/PARKの施設やコンテンツを活用し、研究員とコンシューマーが直接コミュニケーションしながら商品やソリューションを開発していく「Co-Creation with Consumers」。

そのなかで今回行われたプロジェクトは、ランナーが望むサンケア製品について資生堂の研究員がコンシューマーと一緒に考えながら開発を進めるというもの。資生堂グローバルイノベーションセンターでサンケアの開発に携わる研究員3名が、コンシューマーの代表として参加してもらった、私生活で定期的にランニングを行なっている5名の一般女性と直接コミュニケーションをとり、プロダクトを作り上げていくワークショップを2日間にわたり実施。fibonaチームと研究員が約3ヶ月間にわたって取り組んだ当プロジェクトの様子をご紹介する。

ワークショップ初日は、コンシューマーの女性5名に普段愛用しているサンケア製品を紹介してもらうところからスタート。ほぼ全員が日常生活用、ランニング用、持ち運び用といった用途毎にサンケア製品を選んでおり、研究員はその理由などを詳しくヒアリング。さっそく、「香りが良い」「このブランドの日焼け止め効果を信用している」という選定基準や、「まずは腕から塗りはじめる」などといった使い方についてのコメントも次々と飛び出した。

続いて、2種のサンケア製品のコンセプトが研究員より紹介された。このコンセプトは事前にランニングを好む資生堂社員にヒアリングを行い、ランナーが持つサンケア製品に対するニーズを議論しながら作り上げたもの。それぞれのコンセプトについて特色や効果を説明すると、コンシューマーからは「そんな日焼け止めが作れるの?」という驚きの声や、一方では「現時点ではあまり欲しいと思えない」「効能が嬉しくない」などの指摘が挙がった。

次に、2種のなかから人気が高かったほうの製品のプロトタイプが配布され、実際に顔と体に使用してもらった。すると、「もう少し軽いテクスチャーが好き」「肌に馴染みにくい」「塗り心地は良いが、日焼け止め効果がしっかりしているのかが気になる」など、さまざまな評価や疑問が飛び交った。「たしかに。言われてみると、そうですよね」と、研究員が思わず頭をかく場面も。

その後はプロトタイプの日焼け止めを全身に塗った状態で、効果を確かめるために全員で屋外へのランニングへ。今回のランニングのコーチは、資生堂ランニングクラブのOGであり、普段よりS/PARK Studioのランニングプログラムの講師を担当している會津容子が担当した。走る前のストレッチや、身体をより走りやすい状態にするウォームアップから始まり、参加者たちは1時間弱のランニングエクササイズを楽しんだ。

「Co-Creation with Consumers」の狙いのひとつには、研究員が実際にコンシューマーと同じ体験をしながら研究開発のヒントを探っていくということがある。今回参加した研究員は自身も走ることが好きなメンバーたち。一緒に楽しく走りながら、実際に汗をかいているときの肌の感触やプロトタイプについて気になることなどをリアルタイムでコンシューマーと共有し、様々な会話を交えた。

ランニング後は、S/PARK Studioのシャワー室と更衣室を使ってリフレッシュ。ワークショップ後半がスタートする頃には、コンシューマーと研究者の距離がぐっと縮まっていたのが印象的だった。

この日のワークショップ後半では、プロトタイプのランニング時の使用感や、シャワーを浴びた際の落としやすさ、そして使用後の肌の状態、率直な気分など、気になる点を研究員が質問していき、次回のワークショップへと向けたプロトタイプの改善点がまとめられた。こうして、ワークショップの第1回目は終了。

第1回目の開催からは、約1ヶ月後となった第2回目。研究員はこの1ヶ月の間、第1回目のワークショップのなかで出た意見を元に製品のもたらす効果、使用感、香り、使いやすい容器などについて様々な点で改良を検討してきた。そうして生み出された新たな製品プロトタイプが用意された。

研究員による新たなプロトタイプについての説明が行われたのち、さっそくコンシューマーに改良されたプロトタイプを顔や体に塗布してもらうと、「前回のものよりも香りが爽やか!」「塗りやすい」などの意見が飛び交った。2回目ということもあり、開始直後からとても和やかな雰囲気。研究員自らもプロトタイプを肌に塗りながらコミュニケーションを図ると、ここでも前回に引き続き「頬の辺りは重点的に塗ります」「ノズルが細くなって塗りやすい」などの細かな意見や情報が飛び出し、「なるほど」と研究員。

また、プロトタイプに使用されている技術やサイエンスについて知ることができる実験がコンシューマーの目の前で行われると、コンシューマーがプロトタイプへの理解をより深め、議論がさらに深まっていった。外部には持ち出すことが難しいこうした実験を、一般の方を交えたワークショップ内で行うことが可能なのは、都市型オープンラボとして開業したS/PARKならではのことだ。

次に、製品のコンセプトとプロトタイプを使ってみたときの印象の合致度が議論された。「コンセプトの説明内容と実際の使用感に相違はないか?」といった質問に始まり、コンシューマーと研究者の間でコンセプトの中に含まれるキーワードから連想されるイメージや望まれる使用感のすり合わせなどが行われた。

その後は実際に走ったときの印象について検証を進めるために、前回同様全身にプロトタイプを塗った状態でS/PARK Studioの指導の下、屋外でのランニングへ。ストレッチに始まり、今回は近隣の公園にて1時間程度のランニングプログラムを行った。今回もまた、ランニング中に活発に研究員とコンシューマーとの間でのコミュニケーションがとられていた。

ランニングを終え、再びワークショップがスタート。「塗った後」「走っているとき」「シャワーを浴びた後」など、それぞれの使用感や印象についての意見交換の場では、コンシューマーが積極的にオノマトペを使いながら伝えるシーンもあり、盛り上がった。

最後はコンシューマーと研究員がペアになり、より近い距離感で今回改良したプロトタイプの評価や今後のさらなる改善点などについて議論。1回目のワークショップで使用したプロトタイプに比べて、よりコンセプトに合致したプロトタイプに改良されているとの好評価が多く聞かれた。加えて、「ランニングは日常の活動として捉えているのか?それとも外でのレジャー同様に、特別な活動として捉えているのか?」といった新たな論点が見つかるなど、研究員にとっても新たな気づきや発見のあった議論となった。

コンシューマーと研究員とが直接コミュニケーションとりながら新たな価値の開発を目指す「Co-creation with consumer」。今回のプロジェクトでは、こうしてランナーが望むサンケア製品のプロトタイプづくりにチャレンジしてきた。プロトタイプが実際の製品になっていくまでにはまだ様々なハードルがあるが、今回の取り組みは、研究員にとってコンシューマー側の意見をより身近に聞きながら製品開発に取り組める有意義な時間となったはず。一方のコンシューマーにとっても、開発段階のサンケア製品のプロトタイプに触れ、実験を間近に見ることができ、ものづくりへの関わりを楽しむ時間となったように感じられた。これこそが、化粧品の作り手である研究員と化粧品のユーザーであるコンシューマーとが一堂に会するS/PARKらしいものづくりの一つの形ではないだろうか。

次回は、約3ヶ月にわたったこのプロジェクトに参加した研究員へのインタビューを掲載予定。プロジェクトを通じて得た気付きや感じたことなどを深掘りしていく。

Project

Co-creation with consumers

「S/PARK Studio」などのS/PARKの施設やコンテンツを活用し、商品体験や使用後のフィードバックなどを研究員と生活者が直接コミュニケーションすることで、生活者視点の商品・ソリューションを開発します。

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