FEATURE: S/PARK

資生堂S/PARK ラボツアー

資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)の都市型オープンラボは、一般的な研究室だけでなく、研究員たちのアイデアを取り入れたさまざまなイノベーションエリアがあり、日々新たなひらめきが生まれることをコンセプトとした空間となっている。S/PARKならではの創意工夫が凝らされた特徴的な研究施設の一部を、今回は特別に紹介してゆく。

オープンラボスペースとして知られる一階とは別に、上階の社員専用エリアには、研究員たちからのさまざまなアイデアを取り入れたイノベーションエリアが存在するということで、今回は日頃から社外からの見学ツアーも担当されているという鈴木翔子さんとともにモデルのあさのまおさんが探索してゆく。

S/PARK Lounge

ここからはS/PARK開業時に専任で設立に携わった小田康太郎さんに各フロアのコンセプトや設立時のエピソードについて教えてもらう。まず最初に訪れたのは、9階にあるS/PARK Lounge。人工芝が敷き詰められ、アウトドアなムードが漂うこちらのスペースは、テレワークや会議、休憩、懇親会などさまざまな用途で使用することのできるスペースになっている。

商品開発に携わる様々な部門で働く社員同士のコミュニケーションが円滑になるように、一般的な会議スペースよりも一人ひとりがリラックスして発言のしやすい空間を目指しており、四季折々の鳥のさえずりのBGMや熱帯魚を飼育している水槽があるなど、ヒーリング効果も期待できる環境に。「日常のなかで水槽で泳ぐ魚の姿をみて癒されたいという声はとても多く、当時の副社長も含めて200人近くの署名が集まり実現しました」と、設立時の秘話も教えてくれた。

S/PARK Living Lab

次に訪れたのは、11階にあるS/PARK Living Lab。名前のとおり、マンションの1LDKの部屋を再現したラボスペース。一般的な実験スペースというと、無機質で真っ白な空間などを想像してしまうが、ここでは実際に生活者が化粧品を使用する環境を再現し、洗面所や寝室、リビングなど多様化する使用シーンに対応した実験が可能となっている。

まるで自宅にいるかのようなリラックスした雰囲気のLiving Labは、社内の小規模な懇親会や面談などで使用することもあり、社内コミュニケーションにも一役買っているそう。

リアルな生活シーンを再現したことで、日常生活において化粧品を使用する際の高揚感や香りの感じ方など、従来の緊張感のある無機質な空間では得られなかったような反応があるとのこと。

S/PARK Switch

14階には、自分自身と向き合うために作られたS/PARK Switchがある。ここでは、「自分の時間のなかで、自分に向き合う場所」というコンセプトのもと、気持ちや考えを整理することのできる個人スペースが確保されており、身体を包み込むような一人掛けチェアやロッキングチェア、ビーズクッションが置かれている。

また、このエリアではS/PARKのSをモチーフにしたストリングカーテンや、アイコニックな花椿をデザインに落とし込んだアンブレラカーテンなど、S/PARKを象徴するインテリアも魅力のひとつ。ひらめきのためには少し肩の力が抜けた状態が好ましいと言われており、まさに程よいリラックス状態を追求したエリアとなっている。

Cafeteria S/PARK Tables & Terrace

最後に訪れたのは15階にあるカフェテリア S/PARK Tables & Terrace。2フロア分の吹き抜けとなった天高の開放的なカフェテラスは、屋内外合わせて400席の広々とした空間に。社員が数多くの社員食堂をリサーチした結果、食事を取るだけでなくデスクワークやイベントなどさまざまな活用ができる新たなコミュニケーションにつながるスペースを作りたいという提案が生まれたという。

「実は、最初にこのカフェテリアの名前として “S/PARK” が候補に挙がっていたんです。公園のようにみんなが集まることで、ひらめきが生まれる場所にしようと。例えば、並んでいるときにいろいろな情報が目から入ってくるように動線を工夫したり、イベントにも活用できる小上がりスペースやミーティングにも最適なファミレスシートなど、新鮮さを感じてもらいつつ、偶然の出会いが生まれるような空間設計が目標でした」と小田さんが教えてくれた。

食欲をそそるユニークなメニューも魅力のひとつ。今回は特別にあさのさんも鈴木さんと一緒にカフェテリアでの食事を楽しむことに。この日は管理栄養士が季節に合わせてセレクトした「栄養特化メニュー」として銀鮭と枝豆のせいろご飯があるということで、あさのさんはこちらのセットにデザートのチョコムースを追加。鈴木さんはとろろとおくらのぶっかけうどんを注文。鈴木さんお気に入りという、ビル群から海がのぞける窓際の席でツアーを振り返る。

「遊び心のある空間で自由に気分転換ができる環境がとても羨ましいです!みなとみらいのレストランに来ているかのような気分でランチができるのも最高ですね」と初めてS/PARKの上階に訪れたあさのさんは感激した様子だ。

S/PARK LABツアーはこれにて終了。今後はS/PARKで働く研究員の一日や、実際にどのような研究が行われているのかなども記事として紹介してゆく予定となっているので、こちらもぜひお楽しみに。