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3年間の「共創」が集結、Liveワークショップとエキシビション:「fibona Open Lab 2022」イベントレポート#2

2022.10.31

“多様な知と人の融合”をキーワードに、資生堂研究所が主導するオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」。

3周年を迎えたfibonaは9月16日、イベント「fibona Open Lab 2022」を資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK)で開催。Liveワークショップやfibona発のプロジェクトのプロトタイプ・エキシビションを実施した。

香りの新体験、スマートシューズ、フィルム型サプリメント——。3年間の挑戦を通じて、ビューティーを軸に多様な取り組みを進めてきた。

バンダイナムコアミューズメントとのコラボレーションにより実施した推し活×コスメ体験「fibona × imagenica」のLiveワークショップの様子も合わせて、写真やグラフィックレコーティングから当日の様子を感じていただきたい。

推し活×コスメ体験「fibona × imagenica」


会場2階では、バンダイナムコアミューズメントによる推し活プロジェクト「imagenica(イマジェニカ)」とfibonaがコラボレーションしたLiveワークショップ「推し活カスタマイズコスメ体験ブース」が開催された。

コンセプトは、「誰かを思い、準備する心を、色と言葉で表現する」。

受付で渡された用紙には、30種類の色見本がずらりと並び、「あの人をイメージして、お好きな4色をお選びください」という言葉が添えられている。

自分の「推し」をイメージしてそれにふさわしい4色を記入し、ブースの担当者に渡して20分ほど待てば、世界にひとつだけのオリジナルアイシャドウが完成する。

「推しているアイドルのメンバーカラーに近い4色」を選ぶ人もいれば、「好きなアーティストを思い描いたときになんとなく連想した色」「お気に入りのマンガのキャラの髪色がオレンジなのでオレンジベースで統一しました」「漫画『ワンピース』のゾロが好きなのでそのイメージで」という人まで、4色の組み合わせは人によって実にさまざま。

20分後には、「fibona × imagenica」と書かれたノートブック風の紙製オリジナルパレットに、指定した4色のアイシャドウが納まった状態で受け取ることができる。

さらに、自分で選んだ4色のアイシャドウには「ひたむきな君 いつまでもそのままで」「まどろみの庭で会いたい」「眩いあの日を忘れない」など、それぞれに異なる「推し」を表現するメッセージ入りのしおりもついていた。

色と言葉の組み合わせによって、自分だけのオリジナル推しアイテムが完成するのだ。

ワークショップ会場周辺には自由に撮影できるフォトブースもあり、推しを思いながら、推しの色をまとい、自由に撮影できるひとときを楽しむことができる。

エンタメ体験でありながら、他者に思いを馳せ、自らの心を満たすアクション。

「fibona Open Lab 2022」のシンポジウム「美しい社会をつくるイノベーションとは」で語られた、これからの美のキーワードである「利他」と「共感」と共鳴する体験がここにあった。

会場では、研究員によるユーザーへの個別インタビューも実施。様々な参加者のリアルな「推し活」や体験ブースの感想を丁寧にヒアリングした。

ある体験者は、推しのキャラクターをイメージして4色をセレクト。

S/PARK1階、これまでの取り組みとfibona発のプロダクトが大集合


S/PARK 1階のオープンスペースでは、fibonaの活動の中から「Co-Creation with Startups」、「Speedy Trial」の取り組みで開発されたプロトタイプを展示。

木材と3Dプリンターを用いた留め具で、異素材の組み合わせによる空間を活用したブース。

各ブースでは、実際に開発に携わったスタートアップ企業や資生堂の研究員たちが、ゲストに解説した。

香りを言葉で捉える新たな体験「fibona×SCENTMATIC」


S/PARKに入ってすぐ目に飛び込んできたのは、SCENTMATIC(セントマティック)株式会社とfibonaの共創による「KAORIUM(カオリウム)」のブースだ。

「KAORIUM」は、さまざまな「香り」を感性言葉に置き換えることで言語化し、言葉から香りを選び出すAIシステム。これまで曖昧に捉えられがちだった「香り」に新たな価値を生み出す試みだ。

AIが導き出した結果は印刷して持ち帰ることができる。


fibona初のクラファン製品「Lämmin」


2020年にfibonaで初めてクラウドファンディングを活用してローンチした、フィルム型サプリ「 Lämmin(ランミン)」のブースでは、開発プロセスを紹介。

最終的にフィルム型となった「Lämmin」の剤型には、他にどんな選択肢があったのか。温感フレーバーを実現するために、どのような原料を検討したのか。パッケージデザインをどう決めたのか。わずか1年でリリースされた「Lämmin」開発の舞台裏が明かされた。

歩行から美を考える「fibona×ORPHE」


2019年から「歩容」をテーマに、fibonaと共同研究を推進している株式会社ORPHE(オルフェ)のブースでは、小型センサー内蔵のスマートシューズと、それを履いて歩いたときの動作を分析することで「美しい歩行動作」を評価できる新たなシステムが披露された。

希望者はORPHEのスマートシューズを履いて歩く体験もできる。靴底には取り外せる小型センサーが内蔵されているが重さはまったく感じられず、普通のスニーカーの歩き心地と何ら変わらなかった。

会場のスペースを使って、5mほどの距離を歩いただけで、歩く速度やストライドの長さ、着地の角度、目線の高さなどの複数の計測データが表示される。自分の歩行が客観的に捉えられることで、歩き方への意識が変わる体験が興味深い。

“自然のゆらぎ”を香りで体感「リトリートスティック」


リトリートスティック」は、7月にfibonaのクラウドファンディング第2弾としてリリースされた、スティック型の香り製品だ。

コロナ禍でリモートワークが急増し、ライフスタイルが変化したことを踏まえて、仕事の合間や休憩時にさっとひと塗りするだけで自然とつながる香りを楽しめるアイテム。

香りとテクスチャーが異なる4種のスティックは、朝と夕、雨や風などの日内変化をイメージした香りをかけ合わせることで自然のゆらぎが感じられるのが特長だ。

「リトリートスティック」は、応援購入いただいたサポーターのもとへ12月に発送される予定。
会場では、2種の香りをアロマディフューザーで一足先に体験できた。

ピアサポートによる美の行動変容を探求「fibona×エーテンラボ」


2021年のビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)にてマッチングし、fibonaと共同研究を推進しているエーテンラボ株式会社のブースでは、これまでの研究成果を公開。

エーテンラボが運営する習慣化アプリ「みんチャレ」を活用し、自分らしい健康美の実現を目指した実証実験を進めている。コロナ禍で感染者が急増している中、参加者の約8割でストレス値の低下が見られ、その後の日常にも行動変容が見られたなど、興味深い研究結果が出ている様子が研究員から語られた。


★fibona×エーテンラボの取り組み記事はこちら:
「美容×ピアサポート」で実現する“健康美” スタートアップとの共創成果をBAK DAYで報告



これまでのfibonaの取り組みとプロトタイプが集結した「fibona Open Lab 2022」。スタートアップ企業やお客さまとの共創によって、資生堂の枠を超えて、様々なビューティーの体験が生まれた。

Liveワークショップとプロトタイプの展示は、共創パートナーや資生堂の研究員が、来場したお客さまと直接コミュニケーションを取れる貴重な機会にもなった。これからの美をつくり、社会実装していくために、fibonaのオープンイノベーションの挑戦は続く。




text: Hanae Abe
photo: Yuko Kawashima
graphic recording: Marin Matsuda
edit: Kaori Sasagawa

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